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お茶のこが、クラッシック コンサートに行ったときの事です。 
お隣のおばあちゃんが、曲の途中から 「コンコン」 と、咳込み始めました。 
  
「ホールの空気、ムチャクチャ乾燥してるもんなー。こーいう『 静かにしなくちゃいけない時 』って、なぜか咳が出てくるのよね〜」 
…と、隣でお茶のこは、軽〜く考えておりました。 
  
が、しかし。 
おばあちゃんの咳はなかなか止まらず、しまいには 「ケホッ、ケホッ」 と咳き込み出す始末。 
  
小刻みに震えるおばあちゃんの横で、お茶のこはハラハラ・ドキドキ。思わず、心の中でエールを送りました。 
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「がんばれ、おばあちゃん!!  
もうすぐシンバルがババーンと鳴るはず!!  
その時に、思いっきり咳をするのじゃ〜!!」 | 
  
お茶のこの願いが通じたのか、シンバルが 「バーン♪」 となったと同時に、おばあちゃんは
「ぐぇっふぉん!!!」 と、特大の咳をしたのです!! | 
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「よっしゃーっ!! おばあちゃん、よくやったー!!」 
お茶のこは、心の中で叫びました。 
が、しかし…!! 
  
「…コン、コン、ケホッ」 
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| なんと、再びおばあちゃんが咳をし始めたのです!! | 
  
「げげっ。なんちゅーしつこいエヘン虫なんや…。おばあちゃん、大丈夫かな…」 
お茶のこが心配していると、おばあちゃんがバッグを開けて、何やらガサガサ取り出しました。 
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| 「あ〜っ、おばあちゃん、飴を持ってきてるやん。よかったァ〜!!」 | 
  
「これで、安心してコンサートに集中出来るわん♪」 
お茶のこは、ホッとしました。 
  
んが、しかし…。 
「ガサ、ガサガサ、ガサガサガサ、ガサガサ、ガサガサ…」 
  
「えっらい長いこと、ガサガサしてはるな〜」 
お茶のこは、ふとおばあちゃんの手元を見ました。すると… 
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おばあちゃん、その飴、いつからカバンに入っとるねん!? 
包み紙に、ムチャクチャ引っ付いとるやん…。 | 
  
お茶のこは、またもやハラハラ。 
結局、フィナーレまで、おばあちゃんの咳は止まりませんでした…。 | 
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